2016年10月05日

光陰 ~ 過ぎ去りし日々

今から11年前、現在の社に入社した直後、ある製造メーカーの工程管理システム案件を担当しました。
その製造メーカーの工場は郊外のH市の、駅から車で30分、大きな通りから少し細い路地に入ったところに存在していた。その製造メーカーの工場に週3回程度通っており、今思うと、タクシー代といった交通費もばかにならなかったです。

その製造メーカーの工場では、半導体メーカーが半導体回路を作成するための「マスク」を作成し、半導体への露光工程を担っていた。この「マスク」は、フォトエッチングに使用していたと思う。

フォトエッチングとは、金属、酸化被膜、半導体などの表面を部分的にエッチングする(腐食液を利用して製版する)ために、その表面に耐薬品性の感光剤(フォトレジスト:感光性耐食被膜のこと。)を塗布し、これを露光する。

そして、露光した部分、あるいは露光しなかった部分のフォトレジストを取り去り、取り去った部分だけを化学薬品などでエッチングすることである。
フォトエッチングにより微小部分を取り去りたい半導体の表面に、フォトレジストを薄く塗り、これに「マスク」を当てて紫外線を照射して感光させる。
当時の私は、一見地味ながら、日本のみならず世界の半導体業界を支えるこの「マスク」に感嘆しきりであった。
その案件のプロジェクトマネージャーは、T課長がつとめていた。

私は、プログラムの結合テストから参画、その後、SQLチューニングや情報系DBの構築に従事した。
作業に夢中になりすぎ、終電時間が迫ると、T課長に「もうそろそろ時の声が」と言われたりもした。
今思うと、当時の私は未熟なところもあり、T課長に迷惑を掛けていたこともあるなあ、と感慨に耽るのである。
T課長も1年前に定年退職、時が過ぎる早さを感じずにはいられないのである。


Posted by ukyo-san at 22:10│Comments(0)
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